サクラマス研究

サクラマスの体長

ルアーで釣ったサクラマスの体長

ルアーで釣ったサクラマス119尾の平均体長は48.9cm(±8.0cm)でした。サクラマスの体長の最大は67cm、最小は30.5cmでした。サクラマスのサイズ別釣果数を図1に示します。(50〜52cmは、50cm以上52cm未満を意味します。)

ルアー釣りで釣ったサクラマスの体長別釣果数のグラフ、その1

サクラマスのアベレージサイズ、大物

サクラマス119尾中64尾(53.8%)が、50〜60cmの間に含まれていました。そして最もよく釣れる、いわゆるアベレージサイズは50〜52cmでした。60cm以上の大物はわずか5尾(4.2%)しかいませんでした。

小型のサクラマス

30〜40cmの小型のサクラマスが18尾(15.1%)釣れました。 図1を見ると、サクラマスのサイズは50〜52cmに大きな山があります。40cm未満は標本数が少なくきれいではありませんが、30cm台にもうひとつの山があるように見えます。図1は体長を2cm毎に棒グラフ化しましたが、標本数の少なさを補うため体長4cm毎で棒グラフを作成してみました(図2)。

ルアー釣りで釣ったサクラマスの体長別釣果数のグラフ、その2

やはり、体長30cm台にひとつのピークがあるようにうかがえます。サクラマスには、50cm台のグループと30cm台の小型グループの2群があるようです。この小型のサクラマスはサクラマスではないとする意見もあるかもしれません。しかし、「パーマークが全くなく、赤身であること」というサクラマスの基準に従えば、サクラマスです。この小型のサクラマスは一般に「戻りヤマメ」「戻りマス」とも呼ばれ、戻りヤマメの秘密に詳しく紹介してあります。

このような小さなものはサクラマスではないというご意見のアングラーに興味深いエピソードを紹介します。2003年6月、友人と並んでいつもの瀬でルアーをキャストしていたところ、彼が30cm級の銀色の魚を釣りました。いわゆる「戻りヤマメ」「戻りマス」です。よく見ると背にタグが打ってあります。別の友人がインターネットで調べたところ、このタグは水産関係の調査のために打たれたもので、その魚体は、その春に遥か数十Kmも離れた別の河川で放流されたサクラマスの幼魚らしいとのことです。降海したその幼魚は2ヶ月程で成長し、私達のフィールドに遡上してきたのです。なお、友人が水産関係機関に報告したかどうか、私は知りません。


[前頁] [ホーム] [データ解析、目次] [次頁]