まず、オシレーションギアを用いた方法を紹介します。 リールのハンドルを回転させるとパワーはメインギアに伝達されます。このメインギアには、ピニオンギアとオシレーションギアが連結しています。 ピニオンギアに伝達されたパワーはローターを回転させ、ラインの巻上げを行います。 オシレーションギアに伝達されたパワーは、これを回転させます。オシレーションギアの片面の縁付近に突起があり、この突起にオシレーションスライダーが連結しています。そして、オシレーションギアが回転すると、スライダーが前後するようになっています。このスライダーにはスプールと直結したメインシャフト(スプール軸)が固定してありますので、最終的にスプールの前後運動が得られます。
この方式は工作が簡単なのか、比較的安い製品に採用されています。 欠点は、円運動を均一な前後運動に変換するには無理があるようで、スプールに巻き取られたラインは完全な平坦にはならないことです。
オシレーションギア方式のリールの内部。(リーガル-Z2500iA) ハンドルとスプールをはずし、本体を開け、メインギアを除去したところ。 ハンドルを回転させると、メインギアからオシレーションギアにパワーが伝達される。オシレーションギアが回転するとオシレーションスライダーが前後運動し、メインシャフト(スプール軸)を前後させる。そして、スプールが前後してラインが平行に巻き取られる。 オシレーションギアの円運動は、オシレーションスライダーの直線的な前後運動に変換されるが、その前後運動の速度は一定ではない。 数式で示すことも可能だが、感覚的に理解できると思う。 |