果実酒の古酒でお話した12年前に作成した古酒のひとつを久し振りに紹介します。第5弾はガマズミ酒です。
ガマズミは初夏に白い細かい綿のような花をつけます。この花は昆虫の大好物らしく、ハナムグリやカミキリムシといった宝石のような甲虫が花粉まみれになって集まります。昆虫少年だった私は、今でも山道でこの花を見つけると、パブロフの犬みたいに条件反射を起こしてどきどき興奮します。
秋、ガマズミは赤い小さな実を沢山つけます。酸味が強く、とても喰えたものではありませんが、そういった果実ほどリキュールにむいているのです。
「原色牧野植物大図鑑」によると、コバノガマズミ、ミヤマガマズミ、ゴマキ、ヤブデマリ等、鑑別を要する近縁種があるようです。もっと意識して観察する必要がありますね。
上の写真は平成5年10月30日に採取した実で作ったガマズミ酒です。ホワイトリカー600mlにガマズミ220gを加えて作りました。果実酒は、教科書的には砂糖も加えます。たしかに女子供向きにはそうした方がいいかもしれません。でも個人的にはノーシュガー、賞味時に必要に応じて少量を添加するを良しとしている次第です。
もう古酒ですので枯れた色合いです(2枚目の写真)。熟成しており、飲むのがもったいないくらい美味しいです。
どこでも買えないし、速成できない古酒、12年前の自分に感謝してちびちび賞味している私です。