6月中旬を過ぎると、イワナやヤマメのフライフィッシング、河口のスズキ(シーバス)、ショアやオフショアのワラサが最盛期に突入するせいか、本流のサクラマスアングラーはかなり減るようです。あるいは、3、4月から一生懸命サクラマスを狙って頑張っていたアングラーのほとんどが、この頃になると力尽きてしまうのかもしれません。 でも、雪代の終わった本流で、クロツグミやカッコウの鳴き声を聴きながら、のびのびと釣りを楽しむのも悪くありません。
その年の初夏のサクラマスの写真をお見せします。
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6月中旬朝、雨のせいか、目的の川に到着してみると、ルアーアングラーはほとんどいませんでした。こんな日は、いつでも竿を出せる地元アングラーは休竿日を決め込むようです。私は、せっかく来たことだし、ひょっとして釣れるかもしれないと思い、ちょっとルアーを投げてみることにしました。
適当に選んだルアーは、ピュア18g。ワンキャストツーステップダウンで、広い流れをどんどん釣り下って行きました。こんな時は、ルアー交換は不要です。1時間以上粘った頃だったと思います。フルキャストしたルアーが、流芯の向こう側でゆっくり下流に向かって泳ぎ始めたところで、ゴンと来ました。合わせた後ロッドを見たら、大きく湾曲しています。さらに2回追い合わせをし、フッキングさせました。ラインの先を追って見ると、水面に大きな波紋が起っています。魚が水面から顔を出してシェイクするとバレるので、ラインのテンションをちょっと緩めました。流芯に入った魚は強い水圧を受け、私を中心にしてゆっくり弧を描きながら下流に走りました。魚体そのものは見えませんでしたが、引きは強いので、ニゴイではなさそうです。
私は、一気に下流に走り、魚との間合いを詰めました。早く魚体を確認したかったので、ロッドをゆっくり大きく起こしてみたら、緑色の水の中に銀色のサクラマスが見えてきました。スプーンは、口の蝶番にしっかりかかっているので、余程のヘマをしなければ、バレそうもありません。「ラッキー!」
そして、慎重なやり取りの後、無事タモ網でランディングしました。50cm1.6Kgメスのサクラマスでした。写真1をご覧になるとわかりますが、胴体に大きな擦り傷があります。ファイト中にできたものではありません。痛々しいです。こんな傷があっても、ルアーを追って頑強にファイトしたパワーには驚きました。写真2は、そのアップです。使用したピュア18gが一緒に写っています。
味をしめ、翌週も同じ川に出撃しました。天気曇り。川は少し増水して濁っていました。そこで、シュガーディープ9cm赤金を取り出し、ダウンクロスキャストで、どんどん探って行きました。ディープダイバーは駆け上がりで川底にゴツゴツ当たるので、ロッドを適度に起こしてリトリーブする必要があります。
アタリはすぐ来ました。流芯を横切ったミノーが、私のほぼ真下に来たところでヒット。濁っていて魚体は見えませんが、流れをまともに受けた魚は水中で懸命に首を振っており、間違いなくサクラマスです。気の短い私は、いつものように下流に走って間合いを詰めファイトしました。
無事ランディングしたのが写真3のサクラマスです。メス51cm1.4Kg。とてもスリムで、ウロコは全く剥がれません。春のサクラマスと全然違います。一緒に並べて人に見せたら、きっと別の種類の魚だと思うかもしれません。写真ではわかりませんが、銀色の胴体にうっすらと桜色の模様が浮き出ています。引き締まったボディときれいなヒレ、初夏のサクラマスはとても魅力的だと思います。写真4はこのサクラマスのアップです。
6月下旬のある休日、曇。梅雨のため川は増水していました。先日のこともあり、私は迷わずシュガーディープ9cm赤金を選択しました。ルアーアングラーは誰もいません。サクラマスはもう終わったのかなあと、ちょっと不安になりました。でも、ちょうど1週間前に、かなりでかいヤツを、びびってバラしたので、あきらめきれませんでした。
この日もすぐにヒットしました。先日と同じようにダウンクロスキャストして、ミノーが私の真下に来たところでゴゴゴンと来ました。1週間前に大物をばらした後なので、慎重にファイトしましたが、無事ランディング。ばらした大物に比べたらはるかに小さいですが、サクラマスはサクラマス、釣れただけでも幸運です。サクラマスはメス50cm1.4Kg(写真5)ありました。スリムで引き締まったボディ、しっかりしたメタリックなウロコにうっすらと桜色の模様。傷ひとつないヒレ。写真6は、そのアップです。ミノーの尻のフックがサクラマスの下あごに刺さっているのがわかります。どんなふうにアタックしたのでしょうか。
サクラマス釣り3年目、ボウズだったり、バラしたり、でも、何とか何尾かのサクラマスを釣ることができて素晴らしいシーズンでした。本当に運が良かったと思います。