大イワナ、スーパーヤマメ、サクラマス等、本流トラウトルアーフィッシングのモンスターは、たぶん底にいます。活性の高い時は表層でも釣れますが、やはり底です。 エサ釣りでは、大物を狙う時は餌を底層流に流すことは常識です。しかし、トラウトルアーフィッシングの分野では、「底を探れ!」とは言いますが、「底層流」という用語は語られません。
底層流について理解するために、エサ釣りの場合を復習します。下の2つの図をご覧下さい。 ミミズをつけた仕掛けを投入します。仕掛けは沈みながら流下します。この際、道糸に付けた目印は、川の表面の流れと同じ速度で流下します(下図左)。 ところが、ある時点から目印の流下速度が急に緩慢になります。この時、仕掛けは「底層流」に入ったと理解されます(下図右)。 魚は底層流にいることが多いので、ここを狙うには流下する目印や仕掛けの速度を見極める必要があるのです。
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トラウトルアーフィッシングの場合、エサ釣りのようにルアーが底層流に入ったかどうか見極めるのは困難です。 エサ釣りの場合、糸は細く短いです。これに対して、トラウトルアーフィッシングでは、ラインは数十mもあり、太さも無視できません。これが流れや風の影響を受けるからです。 私も永らくわかりませんでした。ルアーが底を探っているかどうかは、「コツコツ」という、ルアーが川底に当る感触を、ナイロン糸を通して感じる以外ありませんでした。
平成12年のシーズン終了間際に、たまたまPEライン1号を使用しました。
18gのスプーンをフルキャストして、着水と同時に糸ふけを取り、その後、沈めます。はるか彼方のラインが流される状態を観察していると、「コツコツ」と底を取る直前に、突然ゆっくりになることに気付きました。
「底層流だな!」
と理解するのに、さほどの困難はありませんでした。
今では、風さえ吹かなければ、ナイロン糸でも底流層がある程度わかるようになりました。
底層流にルアーが入ったかどうか知れば、きっと釣果が向上します。その理由は、
まだPEラインを使用したことのないトラウトアングラーは一度お試し下さい。ひょっとしたら、モンスターをゲットできるかもしれません。