ルアーフィッシング「明日は釣れるといいなあ!」

「丘の雑草たち」

「丘の雑草たち」(森下陽著、福武書店、1992年)を読みました。古本屋で買ったのですが(105円)、既に絶版のようです。

舞台は終戦直後の岡山県立成徳学校です。ここは、戦災孤児や様々な事情で通常の家庭生活を送れない少年を預かる全寮制の施設で、「少年の丘」と呼ばれていたそうです。20年前、岡山市内の病院に勤務したことがありました。付近をよくジョギングしたはずですが、成徳学校については全く知りませんでした。

主人公坂西喬は空襲で両親を失った16歳の浮浪児でした。くたびれた中年になった彼がその当時の友人の死を知らされ、40年前の少年の丘での輝いていた頃を回想する物語です。個性的な友人たち、悲しい初恋、人間性あふれる若い先生方・・・。

久し振りに面白い小説を読んだ気分になった次第です。爽やかな読後感でした。でも、もう売っていないと思います。


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